2015年2月20日金曜日

小さな文句が関係のこじれを防ぐ①

先日、クレーム対応についての講演を依頼されました。依頼した方は、“クレームをつける人は精神的に問題がある”というイメージを持っているようで、精神科で働いている僕のもとに話がきました。

そこで話した内容を、何回かにわけて書いていきますので、良かったら参考にしてみてください。

他罰か?自罰か?
そもそもクレームをつけるという行為は、他罰的な行動です。精神科の患者さんというのは、うつ病に代表されるように、自罰的な人が圧倒的に多いです。自分を責めて、苦しくなっているのですから、“クレームをつけてくる人=精神科患者”というのは、実態と違っていますね。

トラブルは、相互作用で生じる
“クレームをつける人は精神的に問題がある”という考えのように、人間関係のトラブルが生じると、多くの人は、誰か特定の個人が悪いからそのトラブルが生じたのだと考えます。しかし、心理学では、特定の個人の原因と考えるのでなく、コミュニケーションの相互作用の中でそのトラブルが生じていると考えます。つまり、はじめから問題を持った人がいるのではなく、やり取りを繰り返す中で、問題視されるような一面が出てくると考えるわけです。

収集がつかない状態や、埋められない溝ができてしまったと思える状態は、始めはささいなコミュニケーションのズレだったのかもしれません。それが修正されないままにやり取りを繰り返してしまうとき、大きなトラブルに発展してしまいます。ですから、コミュニケーションがズレてしまったとき、早い段階で修正することで、大きなトラブルを防げるのです。


『小さな文句が関係のこじれを防ぐ②』へ続く…

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2014年11月30日日曜日

変わらないことの方が難しい

今の状況を何とかしようと頑張っているのだけど、なかなか変わらない。進歩が見えないということ、誰にでもあると思います。モチベーションを維持するのが難しいときです。

僕は、そういうとき、養老猛司さんの『バカの壁』で書かれていたことを思いだします。文中には、人間は細胞分裂を繰り返しているので、本当は日々変わっているのだと書かれていました。ただ、自分に対する自分のイメージだけが変わらないので、変わっていないと感じるんだということです。

考えてみたらそうですよね。毎日、何かしらの小さな変化はあるわけで、そこを見落としてしまっているのかもしれません。

変わらないと感じるとき、新しいことをやってみるのも1つの方法です。けれど、すでにモチベーションが下がってきている時は、ちょっと立ち止まって、すでに変化したところを探してみると良いのかもしれません。


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2014年9月30日火曜日

期限があるのにやる気が出ない場合に考えたらいい事

やらなければいけない課題があるのに、なかなか取り掛かれなくて、気がかりではあるのにやっぱりやらなくて、モヤモヤして気が重い時ってありませんか?

こういう時、1つ振り返ることで自分のパターンが分かります。それは子どものころ、夏休みの宿題をどうしていたか?です。

大きく分けて4つのタイプがあると思います。
1つ目は、夏休みが始まってすぐに宿題を終わらせて、残った時間はのんびり過ごすタイプの人。
2つ目は、計画を立てて、毎日コツコツと頑張るタイプの人。
3つ目は、全然やらなくて、最終日に親に怒られて泣きながらやるタイプの人です。
4つ目は、結局、宿題をやらずに怒られるタイプの人です。

まず、4つ目のタイプの人は、そもそも期限があるような仕事にはつかないようにしたらいいかもしれません。期限があることが相当ストレスになると思います。

僕は、3つ目のタイプでした。最後まで先延ばしして、最終日に必死にやってました。そして、その傾向は今でも続いています。たとえば、学会で発表する予定でも、ギリギリになってお尻に火がつくまで取り掛かれません。

期限があるのにギリギリまでやる気になれない人は、僕のように、夏休みの宿題を最後までやらないタイプの人ではないですか?もしそうなら、やる気にならないことに気をもんでモヤモヤするのはもったいないですよ。追い詰められたらちゃんとやるんですから、それまでは棚上げしてのんびりしているといいですよ。僕は、このことに気づいてから、期限があっても気楽に過ごせるようになりました。

もし、もともとは1つ目や2つ目のタイプなのにやる気が出ないというのでしたら、原因は別の所にあるのかもしれません。ちゃんと眠れているか?食べれているか?をチェックしてみて、それも出来ていなかったら抑うつ状態かもしれませんから、専門家に相談する方がいいですよ。
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2014年8月10日日曜日

今の仕事に向いてないな、と思ったとき

最近、新卒の社会人1年目の人と話す機会が続きました。その中で、“本当に自分が今の仕事に合っているんだろうか?”と悩んでいました。

こういう風に悩むのは、その仕事に向いている証、とまでは言えないけれど、最低条件を満たしていると思うのですがどうでしょうか。逆に、自分と同じ仕事をしていて、“この人、向いてないなぁ”と思ったら、観察してみてください。その仕事に向いているかどうかなんていう葛藤を持っている人は、ほとんどいないと思います。

そういう風に悩めるというのは、それだけ仕事にきちんと向き合っているということですし、できてない部分をちゃんと見つめることができているという証拠です。その葛藤を持ち続けることは、苦しいけれど、本当は一番の成長にもつながるのではないでしょうか?

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2014年7月30日水曜日

精神的に具合が悪くなるときに共通していること

前回、持ち味について書いたので、それに関連することを書こうと思います。

病院の精神科を受診する人に共通することは、とても大雑把に言ってしまえば、“持ち味が活かせなくなっている”ということです。精神的に具合が悪くなってしまうまでには、色んな背景や、環境、その人の体の状態などの要素があるのですが、共通点は本来の持ち味や自分らしさが外に出てこなくなっているということです。

ですから、その持ち味が活かされるように工夫をすることで、元気になることが多いです。

たとえば、小さいころ、落ち着きがなかった人は、落ち着きがないような生き方をするといいです。子どものころにスポーツを選ぶときも、バスケットとかサッカーのような絶えず動き回る落ち着きのないスポーツがいいですし、勉強をするときも、短い時間でチョコチョコ教科を変えるといいです。仕事を持つようになっても、職人さんみたいに同じ作業をコツコツ続ける仕事よりは、様々な所に出向き、色んな人と会うような仕事が合っているのかもしれません。

そういう人が、ジッと同じ作業をしなければいけない仕事につくと、持ち味が活かされなくなって、途端に不調に陥ってしまいます。

同じように、気持ちの起伏が激しい人は、できるだけ気分屋的に生きるのが良いのかもしれないですし、神経質で細かい人は、正確性が求められるような仕事をすると細かさが活かされるかもしれません。

そう考えると、自分の持ち味をしっかり把握し、それが活かされる工夫、阻害されない配慮をすることが、健康のための1つのコツと言えそうです。

前回記事:『自分の持ち味を知るには』

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2014年6月30日月曜日

自分の持ち味を知るには

前回、コミュニケーションスキルを上げるよりも、自分の特徴を知る方が先なのではないかと書きました。

そうすると、じゃあ、自分の特徴や持ち味は何なのか?という疑問が出てきます。それを知るのは案外簡単で、幼少期にどんな子どもだったのかを聞けばすぐにわかります。『三つ子の魂百まで』というやつです。

僕は、病院の仕事の中で、未熟児で生まれた子の発達検査をしています。3歳くらいの子どもは、本当に個性が豊かです。まだ、社会に出る前なので、個性が削られずにそのままむき出しになっています。その頃の自分がどんなだったか?を聞いて、そのエッセンスを抽出すると、自分の持ち味が分かってきます。

たとえば、僕は小さいころ、「危ないからそっちに行っちゃダメよ」と言われても、その制止を振り切って、興味があるところに行こうとする子だったらしいです。その特徴は大人になっても変わらず、治安が良くない国を旅して充実感を得たりしています。

ですから、自分を知るためには、わざわざ旅に出たり、滝に打たれたりする必要はなくて、幼少期の様子を親に聞けばこと足りますよ。

関連する記事:『精神的に具合が悪くなるときに共通していること』

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2014年5月26日月曜日

アンチコミュニケーションスキルのすゝめ

1年ほどまえに、職人さんに頼んでテーブルを作ってもらいました。僕は家具に対するこだわりが強いので、細かいところまで“こうしたい”というイメージを持っています。その職人さんに初めて会った時、「天板をこんな形にしたいんですけど、できますか?」「足は、こういう風に組んでもらいたいんですけど、可能ですか?」と質問をぶつけました。すると、かなり長めの沈黙があって、こちらが不安になってきたころに「…たぶん、できます…」「それは、まぁ、可能です」とボソっと答えます。はじめ、この沈黙はなんの時間だろう?と思っていたのですが、すぐにその職人さんが頭の中でイメージしてくれているんだなと分かりました。

これは、一般的なコミュニケーションスキルという点では全くダメですよね。けれど、家具職人として考えた場合、流暢にセールストークを繰り広げる人よりは実直さが伝わって、ずっと信頼できるわけです。僕は、その職人さんとのやり取りが気に入り、テーブルを依頼しました。

社会生活をおくる上で、コミュニケーションスキルが大事だということはずっと言われています。けれど、たとえば、この職人さんが売り上げを増やしたいと思って、コミュニケーションスキルを学んだとすると、この人の良さが伝わらなくなってしまうかもしれません。

人が違えば個性も違うわけですし、コミュニケーションの取り方も違うわけです。ですから、僕自身は、スキルとしてコミュニケーションを学ぶよりも、自分の特徴を知る方が先だと思うし、強調されるべきではないか?と考えています。模範とされるようなコミュニケーションの取り方を目指すよりも、自分の良さがもっと活かされるコミュニケーションってどんなコミュニケーションだろう?と考えてみる方が良いと思うのです。

カウンセラーは、コミュニケーションを用いて仕事をします。ですが、魅力的なカウンセラーはみんなクセがあります。これは、自分の特徴を活かしたコミュニケーションをとるようになっているのかもしれませんね。

コミュニケーションについての別の記事:『コミュニケーションを上達させるには』

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