2013年12月29日日曜日

おいしいものを食べたことがない人に、おいしい料理は作れない

僕がいつも行っているレストランのマスターは、僕と同じで海外旅行が好きです。それで、その店に行くといつも、
次はどの国がおもしろそうなんだろう?という話になります。ある時、『××日~××日まで、研修のためにお休みします』と貼り紙がしてありました。研修なんてあるのかと尋ねると、ただマレーシアに旅行に行くのだと言われ、笑っちゃいました。

けれど、この“研修”というのは、あながち間違いでもありません。僕も今まで色々な国を旅行して、何人かコックをしている旅人に会う機会がありました。彼らは、世界のおいしいものを食べて、舌に記憶して、自分の幅を広げているそうです。当たり前のことですが、おいしいものを食べたことがない人に、おいしい料理は作れないのです。

映画『かもめ食堂』のロケ地になった食堂です。
実際は日本食でなく、フィンランドの料理を出していました。
トナカイ料理を食べてみたのですが、味は・・・。
その論理を、臨床心理士の世界に当てはめてみると、全くそういうことはなされていません。心理士の間では、相手を褒めることは重要だという共通認識があるのですが、研修会などで症例を発表する際には発表者は全然褒められません。あれやこれやと批判され、たいてい発表が終わるころには、二度と発表なんかしないという決意を固めています。つまり、褒めないといけない人が、褒められるという体験をしていないのです。これだと良いカウンセラーは育ちませんよね。

では、みなさんの職場ではどうでしょうか?“お客さんには、こういう風に接しなさい”、と鬼の形相で指導している人もいますよね?さっきの料理人の例えで言うと、一生懸命、腕の悪い料理人を育てているように僕には見えるのですが、どうなんでしょうね。

ですから、お客さんに対してこういう接し方をしたらいいのでは?というアイディアが生まれたら、まずは同僚、部下、時には上司に対して実践してみるのはどうでしょうか?そうして、良い体験をした人が増えると、自然にお客さんへの接し方もより良い方向に向かっていくと思います。一見、手間がかかるように見えて、このやり方の方がずっと早く変わっていくと思うのですが、どう思います?

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