2015年3月30日月曜日

小さな文句が関係のこじれを防ぐ③

小さな段階で不満を語ってもらう
それではズレが修正されないから駄目なのかというと、そうではありません。そのズレていることを話題にし、相手に思うところを語ってもらうこと自体に意味があるのです。持っている不満を口にしてもらうだけでどこかスッキリするので、ズレは修正されなくてもトーンダウンします。そして、不満があっても言えない関係から、不満があったら言える関係に変化もするのです。その関係が医療者と患者関係において、トラブルを防ぐ関係づくりへと繋がっているのです。

不満を出させないような対応は…
よくトラブルが起こると、そのような不満を言われない完璧な対応を目指します。職業にもよると思うのですが、医療業界のように相手との関係が続く場合は、不満を語りやすい雰囲気が大切だと思います。完璧な対応を目指すと、つけ入る隙がなくなって、かえって不満を言わせないような雰囲気を醸し出してしまうこともしばしばです。

小さな文句を言える関係づくり
具体的に、そのような小さい段階での不満をどのようにして言ってもらうかをカウンセリングの中での関係づくりから考えたいと思います。大きく3つあります。

  1. 小さくても不満を口にした時に、それを丁寧に聞く。そして、それを言ってもらうのが常に役に立つのだと話す
  2. 他の医療機関やスタッフへの不満を口にした際、同じことを自分にも感じる時があると思うから、そう思ったら話してください、と伝えておく
  3. 他のスタッフに対しての不満語った際には、そのスタッフを悪者にはせず、悲しいすれ違いという見方をする

1,2は、不満を語ることに対して開かれた態度を示し続けるということです。しかし、それでも直接本人には言いにくい場合もありますので、3のように職場全体で互いを補いあうことが必要になります。

これらの3つの関わり方は、それほど難しいものではありません。意識しておくだけでずいぶん実践できますので、ぜひ、明日からの仕事に取り入れてみてください。

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2015年3月10日火曜日

小さな文句が関係のこじれを防ぐ②

コミュニケーションがズレやすいパターン
もちろん、トラブルの原因を個人に帰結するわけではないですが、どのようにコミュニケーションがズレやすいか、そのパターンは人によって異なります。様々なパターンがありますから、それらをひとまとめにするのは難しいですが、共通する点は余裕がなくなっているということです。

余裕がなくなってくると、人は幅を持たせて柔軟に考えることが難しくなってきます。思考を狭めて、理由付けがはっきりした方が安心感が得られるからです。そういう意味では、医療を受診する人は、どんな人でも不安があり、ゆとりが少なくなっています。ですから、どんな科においてもコミュニケーションのズレが生じやすいと言えるかもしれません。

コミュニケーションのズレの修正
そのようにズレが生じてしまった際、それを話題にし、互いの考えていたことを語ることで、誤解が解けることがあります。しかし、実際には、それでもズレが修正されないこともあるのです。

誰でも、自分の理解したいようにしか物事を理解しません。自分の物差しで理解することで、自分の心を守っているのです。それを心理学では防衛と言います。誤解を無理に解こうとする行為は、相手の防衛を壊そうとすることになっているかもしれません。


『小さな文句が関係のこじれを防ぐ③』へ続く…
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