カウンセリングをしていると、度々こんな相談を受けます。困った人がいて、その人に変わってほしいんだけどなかなか難しいというものです。確かに、それは難しいです。他の人を変えるのは、自分を変えるよりもずっと大変なんです。
たとえば、サッカーで、パスはうまいけどシュートが苦手な人がいたとします。「そこはシュートだろ!」とみんなが思う場面でも、いつも味方にパスをしてしまいます。
そんなとき、「なんでシュートうたないんだ!」と厳しく注意したり、怒るというやり方がありますね。このやり方は、そこら中で使われているので、ある程度の効果があるのだと思います。けれど、行き過ぎると、今、話題になっている大阪の高校で起こったようなことにもなりかねません。
方法は、もっとたくさんあります。パスが上手だから、そこをどんどん褒めるというのも1つのやり方です。そうすると、パスがうまくなっていって、その人は自信が出てきます。その自信が出た分だけ、自分が苦手だったシュートもやってみようという気持ちになっていきます。人は、余裕が出来たらその分だけ、自分のダメな所にも注意が向くようです。
けれど、どっちのやり方にしてもシュートの上達度としては同じだろ、と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。ほとんどの場合、良いところをほめて変わった方が、怒ったりして変えるよりもずっと上手にシュートをうてるようになっています。それは、パスが上手くなっていくときに身につけた技術が、シュートにも活かされるからです。ゴールにパスするようにシュートをうてるようになるかもしれません。
ですから、誰かに困っている・変わってほしいと思ったら、まずはその人の良いところに注目してみるのがおススメです。ただし、あまりにもその人に対して我慢している期間が長いと、良いところを探そうなんて気分にはとてもなれません。そうなってしまう前に、普段から心がけておくことが大切です。その人の良さをほめたり、感心したりしていると、だんだん変わっていきますよ。
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