2012年9月7日金曜日

排他行動


先日、ある動物園の園長さんとお酒を飲む機会があったんです。ちょっと新鮮な角度から人間を見ていて面白い方でした。海外に行くから日本のことが見えてくるように、動物のことを観察しているから人間という生き物をより深く理解している感じがしました。

その園長さんに、「動物もいじめってするんですか?」と聞いてみたんです。すると、「動物なんか、めちゃくちゃいじめるよ」と即答されました。それは排他行動というものだけど、動物は自分の身を守るために他者を排除する。けど、それは悪いことじゃなくて、その種、全体を考えれば必要な行動でもある。排除された者は、その場を去らなければいけなくなって、新しい場所で自分のテリトリーを作る。それがその種にとっては広がりを生み出すことにもなっている。だから、人間も生まれ育った町を離れていくのは自然なことで、戻ってきて親を看取るなんてのは動物の世界ではありえないことだ、というお話でした。

ケニア,野生のサイ
今、いじめについてメディアで取り上げられてますよね。園長さんと話して、やっぱり動物として、人間の中にそもそも根付いている行動なんだなと思いました(人間は知能が高いので、もっと複雑で問題はややこしいとは思いますが…)。

いじめについては、このことを前提として対策を考えないと、全然見当はずれなことになっちゃうんじゃないですかね。もちろん、いじめを肯定するわけでも、いじめている人を容認するわけでもないですが、正しい人がいじめという悪行を懲らしめるという水戸黄門のような図式では、問題解決にはつながらない気がします。前回の記事でも少し触れましたが、“自分の中にも、誰かをいじめたくなる時があるよな”ということを認めてからでないと、前進しない問題じゃないかな、と思うのです。


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