2013年8月21日水曜日

チルドレン

この前、伊坂幸太郎の“チルドレン”という小説を読みました。面白かったのでおススメです。

短編集ですが、それぞれの話に共通した登場人物が出てきます。家庭裁判所の調査官なのですが、仕事のやり方はめちゃくちゃだけど大事な所は外さないという人で、魅力的でした。

その小説の中で、子どもは集団になると別物になる。だから、チャイルドの複数形はチャイルズではなくて、チルドレンなのだと書かれていて、なるほど、と感心しました。

よく考えてみると、これって子供に限りませんよね。1対1で会うときと、集団の中で会うとき、同じ人でも雰囲気が違うことがあります。中には、別人のように変わる人もいます。意識して使い分けている人は、多くないと思いますが、接する側としては、そういった違いが見えたことで戸惑ったり、混乱することもあります。自分も思春期くらいに、そんなことを感じてたような気がします。

個性や人柄のことを英語でパーソナリティと言います。この語源は、ペルソナだと言われています。ペルソナの意味は、仮面ということです。つまり、人は相手や場によって見せる顔が違う。仮面を付け替えて生きている、ということから派生しているそうです。

人は色々な面を持っていて、その全部を含めて個性というのでしょうかね?

この仮面を使い分けられる人のことを、世渡り上手と言うのかもしれません。反対に、使い分けるのが苦手な人は、生き辛さを感じるかもしれません。けど、一緒にいる相手としては、安心感があっていいんですけどね。一長一短で、なかなか難しいものです。


チルドレン (講談社文庫)
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伊坂 幸太郎
講談社
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2013年7月31日水曜日

”こうなりたい”が自分を変える

先週、行われたサッカーの東アジアカップは見ましたか?ワールドカップまであと1年ですが、そのための新戦力を発掘する意図がザッケローニ監督にはあったそうです。日本代表は、長年、決定力不足を指摘されていたのですが、今回は若い選手がゴール前で落ち着いてプレーしているように見えました。Jリーグが始まったころは、ゴール前でホームランのようなシュートを打つ選手が多かったですから、日本のサッカーレベルも、また一つ上がっているのかもしれません。

ミラノ サンシーロスタジアム
トップアスリートが自分の力を出し切るためには、イメージが重要だそうです。イメージトレーニングというのは、こうなれたら良いなという自分を想像することです。そういう理想というか、追い求めている姿をイメージできると、良いプレイができるそうです。逆に、具体的なイメージができずに、ただ良いプレイをしたいと思っていても、なかなかそうはなれないようです。

これは悩みがあるときも同じです。自分が抱える問題に対して、「あれがダメだぁ」「これもダメだぁ」とは思うけども、「じゃあ、どうなりたいの?」と聞かれると、それは思いつかないことがあります。頭の中が悪いイメージでいっぱいのときは、その状況もなかなか変わりません。「自分はこうなりたいんだ」ということがイメージできたら、少しずつでもそのイメージに近づいていけるものです。

イメージするだけで変わっていくなんて、そんな簡単じゃないだろ、と思う人もいるかもしれません。けれど、目指すべきものが具体的になると、今、何をしたらいいのかがはっきりすることもありますよ。

もちろん、悪いほうに考えてしまうということにもちゃんと意味はありますし、それはそれで大切な役割があります。けれど、何だか上手くいかないとき、「今の問題がなくなったら、自分はどんな風になるだろう?」と想像してみると、何かが違ってくるかもしれないですよ。


写真は、ACミランとインテルのホームスタジアムです。やはり、このスタジアムの雰囲気は独特でした。本田も移籍できるといいですね。

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2013年7月18日木曜日

気分の波をさざ波に・・・その2

前回の続きです。
前回は、気分屋的に生きるのが気分の波を穏やかにするコツだと書きました。けれど、そういう生き方が合わない人も当然います。

パラオの海
それは、心配や不安が強い人です。そういう人は、きっちり予定が決まっている方が落ち着きます。予定を立てて、不確定な要素を少なくするということが、不安に対する対処になっているのです。ですから、予定を立てずに行き当たりばったりな生き方をすると、不安が余計に強くなることもあります。

自分はどっちのタイプなのか…?旅行の仕方には、その違いがはっきり表れます。自分が旅行をする時に、どうしているかを思い出して下さい。あらかじめ旅行先のことを調べて、きっちり計画を立てるのが好きなタイプか?事前に情報を入れないで行き当たりばったりを楽しむタイプか?それで大まかに自分がどっちに合っているかが分かります。
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2013年6月15日土曜日

気分の波を、さざ波に

気分の波が激しい人っています。落ち込んでいる時は、自分を責めてしまって大変ですし、反対に上がってくるといつの間にか周りに被害が及んでいて、やっぱり大変です。そういう特徴に自分自身も翻弄されて困っている人はめずらしくないです。

こういう人は、歴史上の人物でもたくさんいて、ゲーテもそうだったと言われています。彼は、気分が落ち込んだときに色々と考えて、その内容を気分が高まったときに文章にしていたらしいです。そうやって上手に波を乗りこなしていたとも言えます。ゲーテのように波を生活の一部として上手く取り入れてあげると、翻弄される感じは少なくなって、自分の体感としては全く違います。

けれど、これが多くの人に使える方法なのかと考えると、なかなか難しいですよね。どうしてかと言うと、ゲーテのように自分のペースを守りながら生きることは難しいからです。社会生活では、もっと自分のペースを乱されたり、周囲に合わせることが求められますよね。

じゃあ、気分の波に翻弄されるしかないのか?というと、そうでもありません。これは、精神科医の神田橋條治先生が言っていたのですが、“気分の波は、気分屋的に過ごしていると穏やかになる”そうです。海の波も地形が狭いところでは高くなりますよね。それと同じように、人の気分の波も、窮屈な状況に置かれると激しくなってしまうのです。ですから、生活の中に気まぐれをできるだけ取り入れるといいそうです。具体的には、仕事から真っすぐ家に帰ろうと思っていたけど、気が向いたから本屋で立ち読みする、とか。カレー食べようと思っていたけど、気分が変わったからラーメンにする、とか。手軽にできることからやるのがおススメです。

自分を窮屈にしているのは、置かれている環境だけではなく、自分自身の考えの時もあります。“~であらねばならない”“~じゃなきゃダメだ”という考えが、自分を縛っているのです。そういう考え方がダメということはなくて、自分の中のある部分を守ってくれてもいるのですが、気分の波がさざ波になっていく時には、自然にそういう縛りがほどけていることが多いです。

ファウスト〈1〉 (新潮文庫)
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ゲーテの小説です。


精神科養生のコツ 改訂
神田橋 條治
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こちらは、神田橋先生の著作です。専門書ではないので、誰でも読めます。参考にしやすいコツがたくさんのっています。

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2013年6月5日水曜日

やる気のスイッチの入れ方


不登校の子どもに対して周囲の大人がとる方法で最も多いのが、“脅し”です。「このままだと行く高校がない」とか、「そんなことでくじけるなら、社会に出てからやっていけない」などなど。教師も親もあの手この手で不安をあおります。その不安に駆られて学校に行けるようになることもありますが、大抵、すぐに息切れしてしまいます。

こんな風に、人を不安にさせて行動を変えるというコミュニケーションは、世の中にけっこう多いです。

ガンになったら、こんなに大金が必要になる。そのために保険に入りましょう、とか。生活習慣をちゃんとしないと恐ろしい病気になる、とか・・・。そのやり方では、少しの間シャキッとしても、長続きはしません。(だから、契約するまで意識を高めればいいだけの保険会社は儲かって、持続的な意識が必要な生活習慣はなかなか改善しないのだと思います。)

反対に「育毛剤」のCMなんか見てると、「髪がまた生える!」などという希望に満ちたメッセージですよね。ほとんど効果はないんじゃないか?という薬に、お金をつぎこんでいる人がたくさんいます。けれど、こういうメッセージの方が、やる気は続いていくわけです。

僕らがやる気を持ち続けられる時は、「これをやったら、こんな良いことがある」と思える時です。もし、相手にやる気を出させたい時には、そのようなメッセージを考えてみると良いですよ。

ウソみたいな話ですが、学校に好きな子ができたら不登校じゃなくなっちゃったという人が、今までカウンセリングした中に何人かいました。そんなとき、自分のカウンセリングってなんだったんだろうという気持ちになりますが…。

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2013年5月21日火曜日

個性を引き出す方法としての引きこもり

僕は、引きこもりの人と話すのが結構好きです。

ドラマなどで、引きこもりをテーマにしていることがありますが、そういう時の描かれようはひどいです。暗くて、鬱積したものを持っていて、異常なことをするような、だいたいそんな感じです。それはやや誇張されたイメージだと思います。

引きこもりを理解するのには、江戸時代の日本を考えるとよいです。その時代に鎖国していた日本は、国家レベルでひきこもりをしていたとも言えますよね。そして、鎖国したのは悪いことばかりじゃなかったはずです。

江戸時代に鎖国していた日本は、浮世絵などの独自の文化が花開いて、それが陶磁器の包装紙に使われて海外に伝わって、ゴッホやモネなど印象派の画家たちに影響を与えたという話は有名です。鎖国して外との交流を控えていたから個性豊かな文化が花開いたわけです。

ゴッホが題材にしたフランスのアルルの跳ね橋
カウンセリングをしていると、引きこもり(カウンセリングに来るようになったということは、正確に言うと、引きこもり明けですかね)の人とお会いする機会が多いのですが、独特な魅力を持っている人が多いです。自分がふれたことのない考え方を持っていたりして、話すと面白いです。ただ、社会が引きこもりに対して持っているネガティブなイメージが強くて、その人達自身も引きこもりにネガティブなイメージを持ってしまっています。

こういう風に言うと、引きこもっていて本当に苦しい人から怒られそうですが、でも、僕は自分に味を出したい時には、引きこもってみるのも1つの手かなと思っています。外からの情報を遮断することで、個性やオリジナリティは醸成されるような気がします。

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2013年4月30日火曜日

人類、みな平等

最近、メディアによっていじめが取り上げられていますし、国としてもそこに力を注ぐようになってきたみたいですね。

そういう問題が出ると、小さいころから教えられていたのは、“人はみんな平等なんだ。だから差別したり、いじめたらいけないんだ”というものです。それはそうなんだろうけど、ふだん生活していて、“人は誰でも平等だ”なんて実感することは少ないですよね。そして、実感が少ないことを語っても、あまり相手には響きません。

僕も“人は、平等”なんて、ずっと実感がないままに生きてきました。南米に行くまでは…。

チリの北部からアタカマ砂漠を越えて、ボリビアのウユニ塩湖まで行くルートがあって、それは見どころもたくさんあるので、2,3泊しながら行きます。僕も、南米を旅行した時、そのルートで国境を越えました。色んな国の貧乏旅行者が同じルートをたどっていました。けれど、そのルートには、標高が高くて高山病になりやすいという落とし穴があります。

アタカマ砂漠を抜けると、ウユニ塩湖が広がります
僕は当時、高山病をあまり理解していませんでした。直前まで海沿いの街でぼんやり過ごしていて、急に思い立って高地に行ったので、今、考えるとかなりの高低差がありました。そして、まんまと高山病にかかってしまったのです。

高山病は、本当にしんどくて、頭は痛いしゲロは吐くし。現地の人が高山病に効くからとコカ茶を飲ませてくれたのですが、それすらも吐いてしまうような感じでした。ですが、ふと見ると、そこに集まっていた様々な人種、性別の人が、みんな等しくゲロを吐いていました。屈強な身体つきの欧米人も高低差という驚異の前ではなすすべなく、オエーっと同じ効果音を出しながら吐いていました。苦しさの中で、僕の頭の中には“人類みな平等”という言葉が浮かんでいました。

こういう経験をすると、今まで教わっていた差別やいじめをしちゃいけない理由が実感をもって浸透するものです。けれど、子どもたちをみんなボリビアに行かせるわけにもいきませんしね。なかなか難しいです。もう少し別のアプローチを考えるべきなのかもしれません。

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